〈一人の百歩について〉
●阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創業者・小林一三氏の箴言のひとつ
にこう述べたものがあります。
一歩を一年間と置き換えてみると、100年先のことを説かれてみても凡人には
想像もつかないことを言われているだけで到底、理解不能なのでしょう。
しかし10年先なら、なんとなくイメージができようものなのです。
ですが、あまりひとりで先に行き過ぎると、誰もついて行けなくなります。
リーダー(リコモン)は常に後ろを振り返りつつ、皆を引っ張っていく。
そういう意味では10歩(10年)先くらいがちょうどいいペースなのかも知れません。
ただし必死に10歩先を歩くのではなく、100歩先をわかっていてもペースは皆に併せて
余裕を持って10歩先から皆を引っ張っていくというイメージです。
こちらも誤解されているケースが多いです。
思い立ったら(ついたら)すぐに実行しては、失敗の連続です。
そうではなくて、実行(Do)までの過程・経緯にはちゃんとした手順や、セオリーが存在します。
しかるべき手順や計画の実現可能性を鑑みて、「判断と決定と」がされます。
次に立案計画が選択されて→「すぐやる」のが正しいのです。
この「判断と決定」のことを意思決定というのです。
意思決定には、勘と経験や直感などの「暗黙知」も大切な要素ですが、データ(事実)
に依拠した「形式知」による手順を取ることで失敗の確率も下がります。
さらに良いことは誰にでも「当然の成功」への道が開かれることになります。
事実(データ)と真実(顧客インサイト)から、ロジカルシンキングと「STLoWSの法則」
を活かした意思決定ができる能力の必要がますます、求められています。
DXの実現のための経営手法。 それがデータドリブン経営です。
また、それと併せて意思決定に於ける行動経済学の側面も忘れてはなりません。
わたしたち人間は経済的に見て、常に合理的・科学的な意思決定と行動をしているわけではありません。
人は、さまざまな条件・データ・情報から以下の意思決定を行うからです。
①合理的(科学的)な判断と決定
②非合理的な判断と決定
判断と選択、決定すなわち「意思決定」がなされたら行動(実践)へと繋がります。
非合理的に見える判断でも、それは実験や知見によってある程度は説明ができます。
行動経済学とは、そんな人間の「非合理」な意思決定の仕組みを解明する学問です。
科学の塊ともいえるMQ会計と併せて活用することで、「当然の成功」の確率を上げていくことができるのです。
〈初出日2024.0110〉