MGの講義でおなじみの「利益感度分析」
企業にとって生命線はどの要素であるのかを数値化することで、
われわれに舵取りの指標を与えてくれます。
ですが、肝心のP/LにはQ情報はありません。
では、感度分析は出来ないのかと言うとそうではありません。
実は財務諸表のP/Lだけでもできる簡便法があります。(「利益が見える戦略MQ会計」かんき出版参照)
ただし条件があって、
1,DCであること。
2.DCであっても変動損益計算書の場合には、純粋にQ比例するものだけをVQにします。
そこになぜ、G÷PQ×100がP感度の値になるのかという証明が西先生によって解説されていますが(同書236ページ参照)
もう少し簡単な方法で証明をしましょう。
P感度の証明
① PQ =VQ+F+G 企業方程式
② P’Q=VQ+F G=0の値を取るときのPの変化量をP’とする。
①式から②式を引くと PQ-P’Q=G
両辺をPQで割ると 1-P’Q/PQ=G/PQ
これはこうなります。 1-P’/P=G/PQ
ところで、Pk=(1-P’/P)×100であるから、
Pk=G/PQ×100であるわけです。
V感度の証明
次はV感度です。
① VQ =PQ-F-G 企業方程式より
② V’Q=PQ-F G=0の値を取るときのVの変化量をV’とする。
①式から②式を引きます。 VQ-V’Q=-G
両辺をVQで割ると 1-V’Q/VQ=-G/VQ
1-V’/V=-G/VQ
ここで両辺に-1を掛けます。
V’/V-1=G/VQ
ところで、Vk=(V’/V-1)×100であるから、
Vk=G/VQ×100であるわけです。
Q感度の証明
Q感度はMQを使います。
PQ-VQ =F+G 企業方程式より
PQ-VQ=MQなので
① MQ =F+G
② MQ’=F+G G=0の値を取るときのQの変化量をQ’とする。
①式から②式を引きます。 MQ-MQ’=G
両辺をMQで割ります。 1-MQ’/MQ=G/MQ
1-Q’/Q=G/MQ
ところで、Qk=(1-Q’/Q)×100であるから、
Qk=G/MQ×100になります。
F感度の証明
最後はF感度です。
① F =PQ-VQ-G 企業方程式より
② F’=PQ-VQ G=0の値を取るときのFの変化量をF’とする。
①式から②式を引きます。 F-F’=-G
両辺をFで割ります。 1-F’/F=-G/F
さらに両辺に-1を掛けます。 F’/F-1=G/F
ところで、Fk=(F’/F-1)×100であるから、
Fk=G/F×100である。
以上で証明は終わりです。
まとめ
これでわかることは、「感度」とは、各要素の変化量の割合であることがわかります。
そしてGを分子にして割ることは、その要素の分母の面積(高さでも同じ)が大きいほど、解(答え)の値が小さく(低く)なるので、
感度が敏感になることを意味します。
「利益感度分析」ではあくまでPやVの平均値で見ることしか出来ませんし、Qも全体の総数です。
それが実務での応用への障壁になっていますが、これはSTRAC-2を学ぶための入門編です。
基礎ができていないとせっかくの「STRAC-2」も使えないのです。
企業方程式(STRAC-1)を真剣に学ぶにはポケコンが一番です。
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〈初出日 2020.0220〉