第1期の第2表・原価計算で登場する「減価償却費」
MGでは減価償却の対象は機械設備だけです(小型・アタッチメント・大型機械の3種類)
第1期で小型機械を購入したときに現金は100円を支払いますが、経費となるのは10円だけで(つまり費用化されて)残りの90円は資産計上します
この費用と資産に分ける技術・仕組みのことを「減価償却」と云います
固定資産を期末に収益獲得に要した部分(費用)とその残り(資産)に分ける技術のことです
(歴史的に法律化されるのは1900年代初頭で、意外と新しいんですね)
この減価償却は
1.発生主義に基づいた費用収益対応の原則
2.継続企業(期間計算)の公準
の概念にもとづいています
つまり、その会計期間に該当する設備や機械の「収益獲得に貢献した部分」の金額を計算して費用化する
1)収益の発生(獲得)には、それ相応に当たる費用が発生します
その差額が利益です→これが費用収益対応の原則
製造業の場合、その収益を生み出すには労働力と原材料・そして生産設備の3つが必要となり
中でも生産設備は全使用期間を通じて、当期に対応する一部分が収益獲得に貢献したと考えます
2)また、「いつからいつまでか」を対応させる期間(期日)を決めなければなりません→これが期間計算の公準
まとめ
固定資産は長期間にわたって使用することが前提です
そして、その一部を消費(費用化)することで収益を獲得します
ここで言う消費とはあくまで観念的な意味であって、実際の設備の見た目は変わりません(古くはなりますが)
期間計算の概念に照らし合わせて(発生主義で)、その期間内に発生した価値分に対応する分を費用にするという考え方です
その費用化されたものを減価償却費と云います
固定資産は毎年、このような考えと手法を使って「費用と資産」に分けられていきます
減価償却とは該当期間内に発生した固定資産価値の減少(犠牲)を
減価 費用化して資産が減少すること(資産の減少)
償却 資産の一部を費用化すること (費用の増加)
この2つを同時に行うことです
〈初出日 2016.1011〉