ライフサイクル理論
製品・サービスや事業はおおむね、その製品(事業)の導入や開始から衰退するまで「導入期」「成長期」
「成熟期」「衰退期」の4つのプロセスを通過していきます。
すべての製品・サービスが必ずしもこのライフサイクルを経るとは限りませんが、多くのケースに当てはまることから、市場ニーズや自社のPQ推移を製品ライフサイクルにあてはめて、自社事業の現状を客観的な視点で把握・分析することは可能です。
そして、これをグラフにすることで飽和期から衰退期に入るその予兆や時期を発見、推測することもできます。
また裏を返せば、この衰退期を判断することでその製品・サービスのMQ最大化を図ることにつながります。
製品ライフサイクルの概念図とその変化を知る計算式は以下のイラストの通りです。
グラフの計算式
関数y=f(x) においてxの値がaからbまで変化するとき
xの増分 ⊿X =(b−a)と
yの増分 ⊿y = f(b)−f(a)
の比 ⊿y÷⊿x
をx が a から b まで変化するときの平均変化率といいます。
(イラストの直線 AB の傾きに対応しています)
この変化率のことを微分係数とも言います。
この場合、xは時間軸を取ります。時間軸は一定です。
y軸はQの変化量です。
また、季節特性(変動)を無くすためにQデータを移動年計値(MAT)に計算します。
この微分係数が極小値を取るときに、その店舗や事業のMQは最大化するのです。
つまりライフサイクルは成熟期を迎えます。
予測する
微分法において、極大値の前後で曲線変化の角度(ペース)は減少(最小化)します。
つまり、限りなくゼロに近づくと飽和期から衰退期に入るその予兆や時期を発見できるのです。
分析に必要なものはたったひとつのデータだけです。
それは商品・サービスの販売Qデータ、またはその店舗の来店客数のQデータです。
少なくとも過去5年分の月別のQデータを用意します。
自社の製品は今、まだQが伸びる時期なのか? あるいはそろそろ市場から撤退すべき時期なのか知ることが可能です。
やり方
デモデータを元に検証してみましょう。
データは国内携帯電話出荷数の推移です。
横軸(X軸)は時間ですからその間隔の⊿Xはすべて同じです。
縦軸(Y軸)は移動年計Qです。 そして現在移動年計Qと前年同月比移動年計Qとの差分を⊿Qにします。
⊿Xは同じなので、この⊿Qがそのままグラフの傾きになります。
前年同月比との差額なので、傾き⊿Qが伸びていれば角度は大きくなるし、その逆は角度は小さく平らになって行きます。
この傾き(微分係数)がマイナスになった状態が3ヶ月から半年続けば、その製品・サービスは飽和期から衰退期に入る予兆かも知れないと考えることができます。
データを蓄積することや、またこの傾きのデータを増やすことで、あとどのくらい成長期や成熟期が続くのか?
データとは「お客様の声」そのものです。
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〈初出日2022.0222〉
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