会計恒等式のかたまりであるMX会計表(第5表)
それは最後に金額のワルツを踊ることで完成します
複式簿記のTフォームの右側(貸方)を90度横に回転させた形がワルツの原型です
ワルツの向きが変わる理由は、前回のブログで書きました (ワルツは踊る その1)
今回はMX会計表の全体像と取引きの意味について書いてみます
開発者の西 順一郎先生は当初、決算方法がわからず、頭から湯気を出して「決算4行」P/L・G・B/S・Tを開発しました
しばらくして、越村信三郎先生(行列簿記の先駆者)の著作にヒントを得てP/L行を2行にして
MQとGが分離されました
Qに比例して出る利益MQ(限界利益)とそうでないもの
つまりFとの差額で求められる利益(差益)であるGの2つに、
利益のもつ性質の違いで二分されたのです
ワルツで売上が2回まわるのは、そのためです
会計情報をマトリックス上に展開することで、企業活動のストックとフローを上空から俯瞰するかのごとく
一覧のもとに表すことができます
会計は「情報」です
危険情報をいち早く知って手を打つ
あるいは会社は良い方向に向かっているのか、そうでないのかをそこから仮説して検証してみる
そのためには仕訳を少しだけ、勉強しましょう
仕訳とは取引きを原因と結果に分ける作業です 分けた原因と結果はそれぞれ、勘定科目で表記します
例えばMG第1期の1行目「資本金払い込み」の仕訳は、 左に現金300円/右に資本金300円となります
現金が300円増えたのは(結果)、資本金の増資があったから(原因)です
2行目は 機械設備 100円/ 現金100円
3行目は 本社経費 10円/ 現金10円
4行目は 材料仕入れ24円/ 現金24円
(あとに続く)
会計上の取引きとは、資産・負債・資本が増減することです
それらを記録するために仕訳が発生します
MGではすべて現金決済(売掛・買掛なし)なので、相手勘定のどちらかに必ず現金がきます
記帳するときに、頭のなかで原因と結果をイメージしながら、仕訳をイメージするとよいです
第1表が「現金出納帳兼仕訳帳」と記載されているのは、そういう理由からです
そして、こんどは取引きの8パターンを意識します
会計の取引きには、この8パターンしかありません
そうすれば、なぜこのセルに数字が入るのかの意味がわかるようになります
また、このパターンから逸脱した取引きは「仕訳ミス」ということになります
ワルツのまえに仕訳ありです
〈初出日 2017.1122〉
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