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値決めの法則(その2) 「Pを考える」

三方良し

売り手よし  買い手よし  世間よし

何度も云いますが「値決め」は経営のキモです

それは経営者の専権事項とも言えます

MGでは最初にPはVとの関係は全くないことを勉強します

そうです、いたずらなハイMやm率にこだわる企業(お店)は次第にQを失なって潰れていきます

それでは値決めに法則や原則はあるのでしょうか?

「MG教科書A」(西 順一郎著 ソーテック社)には

『値付けは“コストを意識しつつ、コストを意識しないで行わなければならない  すなわち仏教の空の概念が必要である』

と書かれてあります

適度に競争しながらもみんなと上手くやること

このほどほどさが大切なポイントなのかも知れません

何故なら「ほどほど」がないと、どの企業も生き残れないからです
適正なM(それは適正なPからもたらされます)が無ければその企業は存続できませんし、その地域の消費者も困ります

もちろんその商品やサービスには消費者にとって十分な便益が、もたらされなければならないのは云うまでもありません

規制に守られた官公庁のサービスが自分中心であるのも、高速道路のサービスエリアの
レストランがPは高いのに美味しくないのは競争が無いからです
しかし、競争相手を徹底して殲滅するかのような米国型の市場原理主義は厳に諌めなければなりません
全国規模で展開するチェーンストアはそこからもう利潤があがらないとみるとすぐに撤退していきます

そこに勝者は誰もいないし、疲弊した地域社会だけが残されるのです

何でも安く手に入る(口に入る)には、魔法ではないのですから、必ずどこかに歪が生じます
誰かがそれを負担したり、誰かに負荷がかかるのです

そのしわ寄せは、必ず社会的弱者か最終消費者に転嫁されていくのですから

皆が幸せになる「適正なPと適正なQ」に気づかないといけません
ほどほどのM(利潤)を確保しつつも、消費者の便益を追求する努力(競争)をすること

Pダウン競争の土俵には上がらないこと
それ以外の青チップ(便益)でお客様に選んでもらうこと

つまり「三方良しの値決め」がその答えのような気がします

〈初出日2015.1210〉