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利益貢献度分析 その1:要素別にGアップ(ダウン)の原因をさぐる

前回のブログでは、移動平均(MAV)と移動年計(MAT)の違いについてお話しましたが、
今回はこの移動年計(MAT)を使った、「利益貢献度分析」の話です。
前回のブログはこちらです。

利益貢献度分析の目的は、
P・V・Q・Fのどの要素がGに貢献したのか?あるいは足を引っ張ったのか?を知ることです。
そうすることで、要素別に原因を追求したりその対策を考えることが可能になります。

手順

1.過去3年分の月次P/Lと、Qのデータを用意します。(Qデータがないと、P・V・Mが計算出来ません)

2.用意できた月次データを、移動年計(MAT)で計算します。

①使うコマンドはMAVコマンドですが、ここで一工夫。
MAVドンでデータの場所と書き込み場所を指定したあと、
MAVの場合は12ヶ月平均を出すときは、「12,b」とドンしますが、MATの場合は、「12,1,b」ドンとします。
12ヶ月の合計をしてそれを1で割れば、それは年計になるからです。

②年計が出たら、あとはPQ/Q、VQ/Qを使ってPとVの年計データを算出します。これで準備完了。

③あとは、Gアップ(またはダウン)に対するPの貢献度、Vの貢献度、Qの貢献度、Fの貢献度を計算します。

すると4つの要素の貢献度が、ひと目でなにが貢献した、あるいは足を引っ張ったのか(犯人なのか)がわかります。

考え方(計算)の原理

台形の面積の出し方を使います。
面積を出す公式は、(上底+下底)×高さ÷2です。

PQとP’Q’との差額を面積と考えると、その差額はPアップによるものとQアップによるものとに分ける必要があります。これが貢献度(額)の考え方です。

PQが増えた貢献度を不公平なく計算するには、台形の面積公式を使うのが合理的かつ科学的です。

詳しくは下図イラストをみてください。

〈注意点〉
1)必ず年計(MAT)を出してから、PとVを割り戻す。そうしないと端数の誤差で数値が正確さを損なう。
2)計算の際、少数第二位まで求める。誤差がなくなる。もしくはP=PQ/Q、V=VQ/Qと入力する。そうすると誤差は生まれない。

まとめ

移動年計(MAT)には移動平均(MAV)の利点、すなわち季節特性を平準化することも備えている上に、その数字が年次(12ヶ月)データになっているという大きなメリットがあります。
つまり毎月、年次決算をしていることと同じなわけですね。

この年次決算データを利用したP・V・M・Qは、最新の1年間の平均データです。

各要素の差分(⊿値)を算出するということは、Gに対する貢献額を要素別に分解したことになるのです。

Pの変化によるGに対する貢献度(額)すなわち⊿Pの公式は以下です。

⊿P=(P-P’)×(Q+Q’)÷2

同様に、
⊿V=(V-V’)×(Q+Q’)÷2
⊿Q=(M-M’)×(Q+Q’)÷2
⊿F=F-F’

*G寄与額公式(参考)
⊿G=⊿P*ΣQ/2-⊿V*ΣQ/2+⊿Q*ΣM/2-⊿F
*ご注意…今回の記事中のMATは(Moving Annual Totalの略で)移動年計のことです。マイツールのコマンドのMAT(マッチング)と間違えないようにしてください。

ちなみにポケコン・プログラムの「H-STRAC」には、この原理をつかった前年度との今年度との単年度比較(分析)ができるようになっています。あるいは計画値と実績値の分析も可能です。

くわしくは6月のマイツール教室で行います。
実際に自社のデータを使ってやってみたい方は、ぜひ参加ください。
案内はこちらです。

 

MG研修の案内はこちらです。

〈初出日2022.0210〉