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疑え常識:Gアップの方法は105通り

Gを出す105通りの方法

 

世間の常識は、必ずしも真理ではありません。

いわゆる世間一般では「経営のセオリー」として、こういうことが言われます。

利益(G)を出すためには次の3つしか方法はない。

1.売上高を増やす
2.売上原価の逓減(製造原価のコストダウンや安い仕入れ)
3.経費の削減

そして、迷える中小企業経営者は藁にもすがる思いで真面目に実行しようとします。
実はこれらはすべて誤りです。

正確に云えば、こういう(上記1~3の)ケースもありえるです。
多くの教科書に書いているこの手だては、大企業では有効でもそれがそのまま中小零細企業へ通用するとは限らないということです。

Pを下げても(値下げしても)G(利益)は出ます。
V(原価)を上げることでかえってG(利益)が増えることもあります。
Q(販売数)を限定してG(利益)を出すこともできます。
F(固定費)は意図的、効果的にかける(使う)ほうがG(利益)は出ます。

この考え方の相違が、実際に経営に携わっているものと机上でただ数字(試算表)を眺めているものとの決定的な違いです。
机上の数字遊びからは経営の本質は見えては来ない。

Gを出すことは、経営にとっての「必要条件」です。
そのために経営者は血のにじむ努力をするのですが、間違ったこと(方策)を教えられてはたまったものではありません。
答えは現場にあるのです。

経営の真理は2つしかありません。

1.会計恒等式  前期繰越+当期イン-当期アウト≡次期繰越
2.企業恒等式  PQ≡VQ+F+G

このうち、2番目の企業恒等式からは、それぞれの要素が独立させた企業方程式に展開できます。
この企業方程式から、Gを出す方法が導き出されるのです。

Gを出す方法は決して3種類だけではありませんし、また無限でもありません。
要素法はそのことを科学的(きわめて数学的)に証明しています。

Gアップの回路図

Gを出す方法は要素法で105通りです。

STRACを見ればわかりますが、
GはFとMQとの関係で算出され、Gはあくまでも差額です。
この9種類ある関係式のなかで、Gが出るのは5通りです。
(Gアップの方法を参照してください)

1.FアップしてMQをさらにアップ(F↑MQ↑↑)
2.FはそのままでMQアップ(F→MQ↑)
3.FダウンとMQアップ(F↓MQ↑)
4.FダウンとMQはそのまま(F↓MQ→)
5.FダウンしてMQもダウン(F↓↓MQ↓)

では、1番のFアップしてMQアップの方法を見てみましょう。

MQはMとQとの関係(掛け算の積)で作られますから、
FアップしてMQをアップ(F↑MQ↑↑)では、MQアップにも5通りあることが云えます。

Mの変化

最後にMの変化です。
MはPとVとの関係(差額)です。MアップしてMQアップするには15種類の関係があります。(Mの変化を参照)
また、Mが現状のままでMQアップするのは3種類、MがダウンしてMQアップするのは5種類です。
つまり、1番のFアップしてMQアップしてGを出す方法には、計23通りあることがわかります。

同様に、2番と3番にもそれぞれ23通り。
4番は13通り、5番は23通りです。

1番から5番まで都合、105通りの方法が考えられるわけです。

戦略を決めるのは社長の領域ですが、それを実現するための戦術(方策)は要素法を理解した社員と一緒に考えます。
その中から、一番現実的で可能性の高い方法をさらに具体的な行動計画に落とし込んで、実行する。
その結果をみんなで振り返る。(検証する)

これがMGの云う「全員経営」の姿です。

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〈初出日2021.1116〉