今回は、経営計画における「Gの設定についての根拠」の考察です

そもそもGとはどういうものなのでしょうか?
それは経営者の願望なのではなく、もっと科学的な根拠に基づいた数字であるべきです

G(利益)は目的ではなく、企業の継続のための手段であるはずです(P.F.ドラッカー)

ならばGとは、企業の目的である経営理念の実現・社員をはじめとする構成員の幸せのために必要な要因です

また儲けのないところには仕事へのやりがいも存在しないのは言うまでもありません

手段として存在する利益は、こう考えてはどうでしょうか?

1.借入金の元本返済原資として

2.総Fの10%   企業の成長活動費として

3.総資本の10%  企業の活動目標値として(いわゆるROAと呼ばれるもの)

Gの金額は経営計画の度合い(進捗度)あるいは企業の成長度から1番から2番、そして3番へと
そのステージをあげて行きます

1番目は最低必達条件です

これがクリアできないと、また元金返済のために新たな借り入れを起こすことになります

1番から3番までの金額が出れば、順番に1番の金額÷0.6=必要Gになります
0.6で割るのは、実効税率は中小企業の場合はおおむね40%だからです

つぎに余裕があれば、
2番の総F(F1からF5までの)の成長分を足して行きます
この10%とは人件費も含めた企業としての成長費に当たるものです

最後の3番目はROAのことです

ROAというものは、会社の資金の出所(自己資本か他人資本かの違い)は問わず、会社が保有している総資産(他人資本と自己資本の合計)をどれだけ効率的に運用できているかという指標です

これも大きく目標を10%にしてみます(一般的には5%を超えていれば優良企業と判断することができます)

〈G決定公式〉

必要G=(借入金の元本返済+総Fの10%+総資本の10%)÷0.6

まずは「経営の8パターン」によって、
どのタイプのビジネスモデルで行くのかを決めてます

つまり「なにをやるのか」を決めてから、必要なGとFを算出して
その達成のためのΣMQの構築のための実行計画の策定に入っていきます

これが本当の経営計画です

MG研修では、よくGは根拠もなく50円とか100円で設定していますが、
このG決定公式を当てはめて計算してみるとあながち適当に決めているのではなく、
なかなか的を射た数字であることがわかります(^O^)

※「経営の8パターン」とは西 順一郎先生の考案した、要素別によるビジネスモデルのことです

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〈初出日 2018.0201〉